私はこれまでに海外(タイ・ベトナム)で約100名ほどの候補者と人事採用の面接に関わってきました。
また、日本国内でも転職を3回経験し、サラリーマン人生18年で4社の会社に勤めてきました。
各転職で異なる目的があり、新しい環境での経験は人間関係や業界の雰囲気を知る機会となりました。
これにより、多角的な視点で物事を考察し、知識や経験を深め、言葉に厚みを持たせることができました。
転職は人生を豊かにするツールの一つであると考えます。
これまでの面接では、戦略を持たずに勢いで挑んでいたと振り返ります。
そこで、今回は面接を受ける方や面接官に、重要なポイントをお伝えしたいと思います。
世界と日本の感覚の違い
海外(特に東南アジア)の転職市場では、離職率が高いという話がよく聞かれますが、それは確かに事実です。
離職の理由はさまざまですが、その一つに、競争社会で生き抜くために自己実現を求める人がいます。彼らは一定の能力や実績を積んだら、転職し、自分の存在感を活かしてステップアップを図る傾向があります。
このタイプの人々を見つけると、私は20代の頃にベトナム、ハノイで体験した出来事を思い出します。
ホテルをチェックアウトしようとする最終日、大量の中国人観光客がレセプションに押し寄せました。彼らは先にチェックアウトを申し出る人々に優先的に対応される中、僕を気にも留めずに割り込んできました。(ちなみに、そのホテルは当時4つ星でした。)
後日、この経験をベトナム人の友人に話すと、「中国では、自己アピールが重要で、競争が激しいため、存在感を示さないと埋もれてしまう」と語られました。
この出来事から、モラルの向上もありますが、20年前の状況が現在の日常ではないと理解します。また、これが日本人との感覚の違いなのか、それとも世界の標準なのか、と考えさせられた瞬間でもありました。
自分を売り込む気持ち
話が少し脱線してしまったので、面接に戻りたいと思います。根本的な感覚の違いは存在しますが、それをうまく表現できる人とできない人は面接でも大きく分かれると思います。その中で私が感心したのは、ある営業マネージャーの採用時のエピソードです。
面接を進め、自己紹介や転職理由・志望動機を聞いたところ、彼は突然「スクリーンにパワーポイントを投影してもよろしいですか?」と言いました。
自分をアピールするため、丁寧にまとめたパワーポイントを提示し、これまでの経験が当社にどのように活かせるかを説明しました。
普通の応募者はそこまでの準備をしないでしょう。正直、私は感動しました。彼が会社のためにそこまで努力してくれていることに。
自分の人生が面接によって変わるということを考えれば、そのぐらいの行動は当然なのかもしれません。
それを実践するのは容易ではありませんが、結局のところ、面接官を喜ばせることのツボを抑えることは大事です。人生は喜ばせ合戦ですから。
面接で勝てる人材の特徴
面接を重ねてきて気づいたことがあります。採用したいと思う候補者の特徴として共通しているのが『相手の求めることを理解した上で、それに対する答えを用意しているか。』人材採用というのは必ず、現状の何か解決したい問題や目標達成に向けの課題があるから、企業側も人を雇うわけなのです。
つまり、あなたがうちの会社に入ったらどのような貢献ができますか?という質問に対して、「私なら、御社のこんなお悩みを解決できますよ」と
明確に自分なりの答えを持っている人が面接競争に勝てるのです。
裏を返せば、どんな悩みや課題を抱えているんだろうという企業の悩みに対して仮説を立てて、準備することなんです。これは海外のみならず、万国共通で普遍的なことだと言えます。
まとめ
面接では、ただ自分の経歴や志望動機を述べるだけではなく、相手の期待や会社のニーズに応えることが重要です。特に、営業マネージャーのエピソードのように自らのパワーポイントを使って、会社にどのように貢献できるかを明確に示すことができれば良いですね。
そこまでの準備は普通では難しいかも知れませんが、それが面接で勝つための姿勢なのです。
また人生は喜ばせ合戦であり、面接でも相手の求める答えを用意することが重要です。面接では、自分のアピールポイントを明確にし、会社の課題に対する解決策を提示することが成功の鍵だと考えます。