vol.19 どんぶり経営からの脱却

皆さん、もし明日から社長(経営者)になることになったら、まず何から始めるでしょうか?

多くの方が会社を運営するための資金のことから理解しようとするでしょう。
では、その資金に関する把握をどうやって行うべきか、その答えをお持ちですか?

この問いに答えられないのであれば、この話は必見です。私自身、営業マンとしての経験から数字に対する意識は高かったです。その一環として簿記の資格も取得しました。確かに経営者としての簿記の知識は一定の役に立ちますが、会社運営の視点から見ると、どのようにその知識を活用するかが難しいと感じました。

今回は、私が経営者として活動していた際に「もっと早く知っていれば良かった!」と感じたことをお伝えします。それが「キャッシュフロー経営」です。これは会社経営の核心を理解し、しかも即座に活用できるツールです。

どんぶり経営の正体

どんぶり経営の正体について考えてみましょう。

「どんぶり経営」とは、全ての収入と支出を一括りにして、残ったお金を単純に利益とみなす状態です。例えば、仕入れにかかった費用と販売から得た収入を一つの財布で管理するとします。この状況からは、次のような問題が生じます:

  1. 実際に利益が出ているかどうかがわからない(モヤモヤ感)
  2. 複数の商品を取り扱っている場合、どの商品が利益を上げているか見づらい
  3. 商品の売買以外に、どのような費用が発生しているのか把握できない
  4. 未来の貯蓄や投資計画を立てることが困難になる

これらの理由から、次の一手を考える際に必要な分析ができず、どの程度まで投資が可能かや、何に重点を置くべきかが判断できなくなります。

キャッシュフロー経営とは

この「どんぶり経営」から脱出する方法として、キャッシュフロー経営があります。
和仁達也氏の「お金のブロックパズル」という概念を用いたものです。

一般的に、会社経営に関心がある方なら「管理会計」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
管理会計では、直接原価計算という手法が使われます。これは、費用を変動費と固定費に分解する方法です。

変動費は売上と比例して増加する費用であり、例えば材料費や商品仕入代などが該当します。
一方、固定費は売上とは無関係に発生する費用であり、家賃や人件費などが該当します。

さらに、固定費を人件費とその他の固定費に分解し、お金のブロックパズルの特性を生かします。お金のブロックパズルでは、お金の流れを視覚的に表現し、売上から各費用までの流れをパズルのように理解します。
これにより、会社の経営状況や資金の動きが一目瞭然となり、お金の出入りや残高が明確になります。

細かい分析方法については次回のブログで詳しく説明しますが、お金のブロックパズルを活用することで、
会社の経営状況を把握し、改善点や問題点を見つけることができるでしょう。

家計も会計も同じ

このキャッシュフロー経営で使用されるお金のブロックパズルは、家計でも同様に活用できます。

家計では、売上を収入に見立てて、収入に応じて増減する変動費を所得税や社会保険などと見立てます。その後、固定費として、生活に必要な日常生活費(家賃、水道光熱費、食費など)と娯楽費(飲み代や趣味代など)に分けることで、出費のバランスが視覚的にわかり、貯蓄できる金額も把握できます。

このように、貯蓄額が少ない場合は、生活費のやりくりだけでは限界がある可能性があります。
そのため、収入を増やすために稼ぐ力を強化することが必要になります。

家族でお金のブロックパズルを作成することをお勧めしますが、娯楽費を削ることなくバランスを保つことができると良いですね。

まとめ

このキャッシュフロー経営という手法は、経営者にとっての革新的なアプローチですね。
お金のブロックパズルを通じて、会社や家計のお金の流れを視覚的に把握することができるのは素晴らしいです。
これにより、利益の正体や資金の使い道を明確に理解し、将来への投資や貯蓄の計画を立てることができます。

また、家族で一緒に取り組むことで、お金に対する共通の理解を深めることができますね。自分のお金の流れを見つめ直すことで、より賢い経済活動ができるようになります。家計から会社経営まで、お金の管理においては視覚化が重要であることを改めて感じます。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

海外販路開拓・業務改善コンサルタント
事業推進するための人材やノウハウ・スキルにお困りではございませんか?
15年間の海外ビジネス経験のなかで、海外駐在を2度経験。最前線で営業マンとして活躍し海外市場を切り拓いた結果、計100社以上の海外企業へ販売を実現。
また計4社で11箇所の部署を経験、業務効率化に尽力。異動引継が多い環境であったため、如何に組織のなかで人材を機能させるかに着目した結果、仕組み化の重要性に気づく。
これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。現在、企業様への海外販路開拓および業務改善という2つの切り口からコンサルティング支援中。

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