前回のブログでは業務改善のコミュニケーション編を取り上げました。
業務プロセスそのものを改善し、無駄や遅延、不要な作業を排除することを目指しています。
そして、これらのプロセス改善を含めた組織の円滑な運用には、コミュニケーションが欠かせません。会社がどの方向に進むべきか、どのような目標を追求しているのか、それを明確に伝え、従業員が理解しやすい形で共有することが大切です。
今回のテーマは、従業員が安心でき、前向きに業務に取り組める環境を整えることです。これらの3つのステップを網羅的に整えることで、従業員は自らの力を最大限に発揮し、やりがいを感じながら働くことができ、結果として生産性向上に寄与する仕組みが完成します。
改善提案の場
従業員が永遠に不満を感じずに仕事を続けることは現実的ではありません。その不満を放置すれば、組織に歪みが生じる可能性が高まります。特に今の時代は人材の確保が難しく、従業員の離職は組織にとって痛手です。従業員の不満を察知し、迅速に対処する仕組みが必要です。
どの時代や場所でも、従業員は常に悩みを抱えています。効率の低さやモチベーションの低下など、さまざまな問題が発生します。すべての問題に対処するのは困難ですが、経営者としては対処可能な課題とそうでない課題を見極め、適切に対応する必要があります。
定期的なアイデア出しや意見交換の場を設けることが重要です。従業員が自由に意見を発表し、問題に対する解決策を共有できる環境を整えることで、組織全体の向上につながります。
評価制度
人間は目的や目標を持たずに仕事をこなしても、成果の実感が湧きません。
皆さんはイソップ寓話の『3人のレンガ職人』をご存知でしょうか?レンガを積んでいる職人(従業員)がいて、通りがかりの旅人が「何をしているの?」と尋ね、次のように返答の違いがあります。
1人は、親方の指示でレンガを積んでいるだけ。
1人は、レンガを積んで壁を作っている。これが仕事でお金がもらえるから。
1人は、レンガを積んで後世に残る大聖堂を作っている。とても光栄な仕事だよ!
この話は目的意識や貢献意識の捉え方により、パフォーマンスやモチベーションが異なるという例えです。従業員に目標を与えるとパフォーマンスが変わり、その目標を達成することで報酬を得ることがモチベーションに繋がります。
従業員に目に見える評価制度があれば、やる気を引き出せます。また、評価制度が明確であれば、変な噂が飛び交うこともないでしょう。
ワークライフバランス
会社という場所は、1日の大半を過ごす場になりがちです。中には朝8時に出社し、終電ギリギリの夜12時に退社する人もいます。1日16時間、週5日で換算すると80時間も会社にいることになってしまいます。昔の言葉で言うと、モーレツ社員ですね。
このような社員がいる場合、会社としては、従業員の健康と従業員家族へも配慮する必要があります。その要因は業務非効率が原因か、業務量が偏っているのか、それとも社内での気遣いによるものなのか。会社としては、業務プロセスの見直しにより、ムリ・ムダ・ムラを排除し負担を減らすことでサポートします。
また働き方のルールを設定し、より良い労働環境を提供できるような仕組みでサポートします。
例えば、ノー残業デーであったり、休暇を取得しやすい環境を整えたりすることは可能です。
プライベートも含め、社員の心が安定していなければ、仕事における良いパフォーマンスは発揮できません。
仕事と生活のバランスを両立できるような仕組みを用意することは、今後ますます会社側に求められます。
まとめ
改善提案の場は、従業員の不満を迅速に察知し、組織の健全性を保つ重要な仕組みです。従業員が常に抱える課題や悩みに対処し、組織全体の向上につながる環境を整えることが求められます。定期的なアイデア出しや意見交換の場を設け、自由な意見発表と解決策共有を促進しましょう。
評価制度は従業員のモチベーションに大きく影響します。目標設定と達成による報酬はパフォーマンス向上につながります。目に見える評価制度はやる気を引き出し、明確な基準は組織内での不安や噂を軽減します。
ワークライフバランスは従業員の健康と家族関係に影響します。長時間の労働は不満や意味の喪失を引き起こします。業務プロセスの見直しやサポート制度の導入は、従業員の負担を減らし、健全な職場環境を構築します。会社としての責務として、従業員の健康と幸福に配慮する必要があります。