近年、海外進出といえば、インドと共によく耳にする国、それがベトナムですね。先週、お客様と共に1週間、ベトナムへ同行出張してきました。コロナ禍で出張が制限されていたため、実に4年ぶりのベトナム訪問となり、変わったもの・変わらないものを発見してきました。
街中をのんびりと走る自転車タクシー(シクロ)や、日本ではあまり見かけなくなったCIRCLE Kなど、懐かしい光景も健在です。一方で、タクシーでは電気自動車が導入されていたり、スカイトレインが開業していたりと、新しい変化も感じられます。この変化については、熱気編・活気編という切り口からお伝えします。
人口の増加
世界人口ランキングで見ると、2022年時点でベトナムは第14位となっています。2023年には1億人を突破するとの噂もあり、急速な増加が見られます。2022年の生産年齢人口層(15歳〜64歳)が68.49%と高い割合を示しています。
日本も1970年代は高度経済成長期で、当時の生産年齢人口は68.9%を記録していました。その時代の日本企業の勢いは、多くの功績を残しており、想像に難くありません。
今、ベトナムがまさにそのステージにいるのです。ハノイ・ホーチミン市街では人々が溢れ、車やバイクが行き交います。市街地郊外では不動産開発が進み、ヴィラやマンション、複合施設が次々と建設されています。人口増加に伴い、国力や経済力の増強を感じざるを得ません。これからのベトナムの展望に期待が高まりますね。
2022年人口統計(資料:GLOBAL NOTE 出典:世銀)
平均年齢
2022年の国連データによれば、ベトナムの平均年齢は32.4歳です。日本の平均年齢は48.75歳であり、ベトナムは16歳ほど若いことになります。生産年齢人口層(15〜64歳)の割合が他の年齢層を大きく上回ることから、ベトナムは人口ボーナス期に突入しています。
これは、消費力が高まり、経済成長が容易になる時期を意味します。
私の元ベトナム人部下はちょうど平均年齢の32歳で、彼の消費行動を見ると、ネットでの買い物や不動産投資など、積極的な投資行動をとっています。以前は生活のためにお金を使う傾向が強かった印象がありましたが、彼のような行動から、意識の変化を感じます。
また、彼の奥さんがTikTokを使って商品PRを行い、企業からインセンティブを得ていることも聞きました。
自らビジネスチャンスを切り拓くたくましさが、今のベトナム人には溢れていると感じられますね。
1人あたりGDP
ベトナムの過去30年間の1人あたり名目GDPのグラフを見ると、右肩上がりで増加していることが明らかです。1人あたりGDPの目安として、以下のような基準があります。
- 1千米ドル:都市化の始まり、高速道路、モール、バイクなど
- 3千米ドル:新車の購入、嗜好品など
- 1万米ドル:消費文化の成熟、多様化
ベトナムでは2022年に1人あたりGDPが4千米ドルを超え、人々の暮らしに多少の余裕が生まれたように感じられます。特に、街中のバイクの数が減少したように感じられることが挙げられます。実際に、ホーチミンでは自動車の販売台数が増加しており、バイクの数が減ったように見えるかもしれません。
中間層の増加や所得の増加が背景にあり、ベトナムの生活水準が徐々に向上していると言えます。
まとめ
これらのデータから、ベトナムが持つ潜在力と成長の可能性が浮かび上がります。人口の増加と若さ、さらには経済の拡大に伴う1人あたりのGDPの上昇が、国の活力と成長を示しています。特に、若い世代の意欲と創造性が、ビジネスや経済の発展に大きなインパクトを与えています。
このような動向は、ベトナムが新たな展望と機会を追求していることを示しており、将来に向けてさらなる成長が期待されます。経済的な発展と社会的な変化が相互に補完し合い、ベトナムが持つポテンシャルがさらに開花することを期待しています。