面接・商談・プレゼンなど、自分自身のサービスや商品を提案する時、例えば『うちのサービスを使えば、売上が2倍になるよ!』などと背伸びをしすぎていませんか?
実はこれ、相手の期待値をMAXに上げすぎている状態を作ってしまっているんです。結果、2倍になれば、相手としては期待どおりだったということになり、満足感はあるんですが、少しでも下回れば、期待外れのほうに振れてしまうんです。なぜなら、人間というのは相手の言葉によって、価値基準値を作ってしまい、その基準値をもとに、結果を判断してしまうのです。
私自身も実は昔、この相手の価値基準値を上げまくるような営業スタイルでしたが、
期待値コントロールを理解してから、営業がとても楽になりました。
この記事では、この「相手の価値基準値=期待値」のコントロールの仕方をお伝えします。この記事を読むと、肩肘張らずに営業がより自然体でできるようになるだけではなく、あなたの営業成績にもつながります。結論としては、期待値は70点、結果はそれ以上が大事であり、このプラスのギャップがあなた自身や商品へのプラスアルファの価値となります。
期待値の正体
ちょっと想像してみてください。
自分が得意な科目で、普通にやればテストで80点は取れるだろうと思っていたとします。
結果が60点だったとすれば、気持ち的にどうでしょう?相当落胆するはずです。
逆に自分が苦手な科目で、50点ぐらい取れれば良いだろうと思っていたとします。
それがテストのポイントを抑えたことにより、80点取れたとすれば、昇天した気分になるはずです。
では、普通にやれば70点取れる科目で、結果が70点だったとすれば、まあこんなものだろうということに
なり、感情的には下にも上にも特に振れないはずです。
これが、期待と結果により生み出される期待値ギャップです。
見せる期待値は70点
こういうと「商品やサービスの魅力を全て出し切ってはいけないのか?」そんな声が聞こえてきそうですね。
でもそうではありません。あなたのサービスや商品の魅力はちゃんとお伝えしても良いのです。
それによって、お客様が得られるベネフィットもちゃんとお伝えすることが大事です。
ただ、過剰な期待を持たせるようなことは言わない方が良いだけです。
それが「売上が2倍になる」とかの表現です。なぜならお客様にとってはそれが前提となるからです。
期待値から下振れした時のリスクを考えておくということですね。
とはいえ、お客様の方があなたのサービスや商品に魅力を感じなければそもそも商売にならないです。
従って、平均点以上の価値提案は必要ですが、感覚的には相手に70点ぐらい期待感を感じられるように伝えるのです。70点であれば、ある程度の平均点以上もありますし、上振れした際の伸びしろも大きいです。
アナザーポケット
以前働いていた会社で、このようなことがありました。
毎年会社から、営業目標を前年度の130%ほどを期待されていたのですが、営業部の裏目標として110%、
最低ラインが前年比以上の100%でした。
毎年、期末が近づくと前年度対比130%が現実的ではないため、最低でも110%は達成するように会社の経営陣からお達しが来るのです。その際に経営陣の期待値をどのようにコントロールしていたのかというと。
経営陣へはギリギリまで達成は難しいことを匂わせます。でも最後の最後まで諦めずにやり抜くことはお伝えするのです。この時に経営陣へは、売上達成に向けての秘密兵器となるネタは伏せておき、最後の最後で新たな売上を獲得したことを報告します。
この時の経営陣の期待値としては、今年は前年比110%も難しそうだなという空気感が流れますよね。
でも、最後の最後で達成の報告をすると、当初目標の130%でなくとも「よくやった!」となるわけです。
これが良いのか悪いのかは別にして、会社組織ではこのような経営層との戦いはどこにでもあることだと思います。従って、アナザーポケットとして、ポケットの内側は見せずに期待値をコントロールすることも、世の中をうまく生きていくためには必要かもしれません。
まとめ
- 期待値の概要
期待値は、様々な状況や出来事に対する予想や期待の程度を示します。テストの成績やビジネスの成果など、日常生活でもよく遭遇します。
期待値と実際の結果の違いが、私たちの感情を形作ります。それによって、時には失望したり、喜んだりします。 - 期待される「70点」
商品やサービスの魅力を伝えることは大切ですが、過度な期待を抱かせることは避けるべきです。相手に適切な期待感を持たせることが肝要であり、
まさに「70点程度の期待感」が理想的と言えます。この程度の期待値であれば、満足度も高まり、追加の喜びも期待できます。 - アナザーポケット
営業目標の設定や達成においては、経営陣との期待値のコントロールが重要です。実際の目標を秘密にしておき、最後に成果を発表することで、
期待値をうまく調整し目標達成を目指します。この戦略は、組織内で一般的に採用されています。期待値の調整は慎重を期すべきであり、適切な戦略の採用が欠かせません。
みなさんもうまく期待値をコントロールして、世渡り上手になってください。