vol.57 海外営業の仕組み化

海外に向けて営業する時、「何から始めればいいんだろう?」という悩みはありませんか?初めて海外ビジネスを始める時、みなさん必ずぶち当たる壁の一つなんです。なぜなら、よくあるパターンが営業ツールから考えてしまうからなんです。

私は企業様のASEAN向けの海外販路開拓を支援しており、その経験から得たものを企業様の思考及び行動整理に結びつく情報としてお届けします。

この記事を読むと、目標から逆算してどのように進めば良いのか、イメージしやすくなります。
今回の結論としては、顧客導線における7つの関門とデジタル活用、そして仕組み化の話となります。

7つの関門

新しい市場において、あなたの商品は誰も知らない状態ということを前提とします。そこでまずやらなければいけないのが、「1.認知」の関門を突破することです。知られるためには、宣伝広告や展示会などへの参加が考えられます。

そして知られた後に今度はお客様から「2.興味」を持たれる関門を突破し、さらに「3.行動」を起こしてもらう必要があります。例えば、あなたの商品が魅力的に感じたから、問い合わせをするといった行動が当てはまります。

行動をとり、あなたの商品が本当に適当なのかを確かめるため、類似商品との「4.比較」関門を迎え、突破すれば、今度は「5.購買」関門に到達し、ここで買いにくいような条件であれば突破されません。例えば、最低発注数が設けられ、お客様が受け入れにくい条件であったり、決済条件がフェアでない場合が挙げられます。

そして、購買関門を突破したら、次に購入したものを「6.使用」する関門を迎えます。使用してみて、期待値を満たさない商品であれば、次の「7.愛情」関門に到達せずに離脱してしまいます。最終的には、最後の関門である愛情関門を突破すれば、また使いたいとなり、リピーターになってくれるのです。

デジタル営業マン

7つの関門を理解した上で、次に導線を改めて考えてみましょう。例えば海外顧客とのタッチポイントは、リアルの展示会で出会うケースやウェブ検索による問い合わせもあります。しかし、人材不足の世の中で、効率よく営業を回していく必要があります。

その際に役立つのが、人手を介さず働いてくれる”デジタル営業マン”です。デジタル営業マンというのは、いわばデジタルツールを使った動画静止画となり、例えば動画の中にお客さんが通るべき関門を想定して、動画を構成します。

例えば、「認知」にあたるキャッチコピーから「興味」を引くようなリード、そして「比較」できるように競合
他社との違いが明確でわかりやすければ、それだけで営業マンの代わりを務めてくれることとなります。
さらに実際の事例や実績による「使用」方法も提案できるため、お客様の興味づけから教育までの効果が期待できます。教育がされた状態のお客様とリアルな商談によって、最後に残りの不明な部分や不安な部分を潰していきます。

営業の仕組み化

営業組織としては、顧客の行動導線上からやるべき行動を組織内でルーティン化しておくことをオススメします。
このルーティンがあれば、どこかでエラーが起きていたとしてもそのルーティンを辿り、エラー箇所を見つけやすくなり、そこを修復すれば良いのです。むしろ、ルーティンがなければどこがエラーなのかがわからない状態に陥ります。

また顧客の行動導線は、決して一つだけではありません。例えば、展示会から出会って顧客になるパターンもありますし、広告を見て顧客になるパターンもあります。パターンは違えど、共通して使える資料や動画などの営業ツールはあるはずです。

この言わば”仕掛け”のようなものを常にブラッシュアップしてお客様に最適な営業ツールであるようにしておく必要があります。これを管理するのも仕組みでルーティン化しておくのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、海外営業の仕組みというものを一緒に考えてみました。やることを仕組みに落とし込み、エラーが出ていればそこを改善していく。ビジネスはこれに尽きます。仕組みについて、もう少し知りたい方はお気軽にお問合せください。

  1. 7つの関門:
    新しい市場での商品導入においては、まず商品が一般に認知されていないという前提から始まります。
    この認知されるプロセスを通過するためには、宣伝広告や展示会などに積極的に参加する必要があります。
    その後、興味を引き、行動を起こさせ、比較を行い、購買を促し、商品を使用し、最終的に愛情を抱くという7つの関門を順に突破していくことが重要です。
  2. デジタル営業マン:
    7つの関門を理解した上で、デジタルを活用した営業戦略が有効です。顧客との接点は展示会やウェブ検索など様々ですが、
    人手不足の中で効率的に営業を行うためには、デジタルツールを活用した「デジタル営業マン」が役立ちます。
    動画や静止画を通じて顧客に関門を示し、興味を引き、競合他社との差を示すことで、効果的な営業を行うことができます。
  3. 営業の仕組み化:
    営業組織としては、顧客の行動に基づいた営業ルーティンを確立しておくことが重要です。
    これにより、エラーが発生した場合でも迅速に対処し、問題の特定が容易になります。また、顧客の行動は多様ですが、共通して使用できる営業ツールを常に改善し、
    顧客に最適なものを提供することが重要です。これを管理するためには、仕組み化してルーティン化することが必要です。

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

海外販路開拓・業務改善コンサルタント
事業推進するための人材やノウハウ・スキルにお困りではございませんか?
15年間の海外ビジネス経験のなかで、海外駐在を2度経験。最前線で営業マンとして活躍し海外市場を切り拓いた結果、計100社以上の海外企業へ販売を実現。
また計4社で11箇所の部署を経験、業務効率化に尽力。異動引継が多い環境であったため、如何に組織のなかで人材を機能させるかに着目した結果、仕組み化の重要性に気づく。
これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。現在、企業様への海外販路開拓および業務改善という2つの切り口からコンサルティング支援中。

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