vol.70 海外販路開拓のよくある失敗から学ぶ

今回は海外ビジネスにおいて陥りやすい代表的な失敗例を他から集めてみました。東南アジア市場への進出は、多くの企業にとって魅力的なビジネスチャンスを提供します。しかし、成功には慎重な計画と実行が必要です。今回は、東南アジア市場での失敗事例を通じて、成功のための教訓を学びましょう。

市場調査における失敗

日本メーカーA社は、急成長する東南アジア市場に目をつけ、高品質の製品を投入しました。しかし、現地での市場調査を十分に行わず、消費者の購買力や嗜好を理解しないまま進出した結果、A社の製品は現地の消費者には高価すぎると感じられ、全く受け入れられておらず、売上は予想を大きく下回りました。

この失敗から学ぶべき教訓は、市場調査の重要性です。東南アジア諸国は多様であり、国ごとに経済状況や文化、消費者の嗜好が異なります。現地の消費者ニーズを詳細に調査し、その結果に基づいて製品の価格設定やマーケティング戦略を練ることが成功の鍵です。より粒度の高い情報が必要であれば、現地のリサーチ会社を活用し、信頼性の高いデータを収集することが不可欠です。

パートナー選びにおける失敗

中小企業B社は、タイ市場に進出する際、現地の販売店を通じて販路を拡大しようとしました。しかし、信頼性の低いパートナーを選んでしまい、不正行為や契約違反に悩まされました。販売店はB社の商品を適切に販売せず、企業のブランドイメージにも悪影響を与えました。

この事例から学ぶべきは、信頼できるパートナーの選定がいかに重要かということです。パートナー選びにおいては、候補企業の実績、財務状況、評判を徹底的に調査し、慎重に選定する必要があります。また、契約を締結する際には、明確な条件と責任範囲を定め、定期的な評価とフィードバックを行うことが重要です。信頼できるパートナーとの関係構築が成功の鍵となります。

現地営業丸投げにおける失敗

メーカーのC社は、ベトナム市場への進出しましたが、現地販売店パートナーに営業を完全に丸投げしており、日本から販売拡大されるのを期待しておりました。その販売店が現地市場に精通していると信じていたものの、実際には適切なマーケティング戦略どころか、ろくに営業活動も行っておらず、販売網の構築に失敗しました。結果として、C社の製品は市場での認知度が低く、売上は伸び悩みました。

この失敗から学べるのは、現地パートナーへの丸投げはリスクが高いということです。現地の事情に精通しているパートナーに頼ることは重要ですが、自社としても積極的に営業に関与し、戦略の立案や実行に対して責任を持つことが必要です。定期的なコミュニケーションと進捗管理を行い、問題が発生した場合には迅速に対応する仕組みを構築しましょう。

まとめ

東南アジア市場への進出は大きなチャンスを秘めていますが、適切な準備と戦略が不可欠です。市場調査の徹底、信頼できるパートナーの選定、自社の積極的な関与が成功の鍵です。これらの教訓を生かし、慎重に計画を立てることで、東南アジア市場での成功を目指しましょう。

読者の皆さんも、自身の体験や意見を共有し、互いに学び合う場としてこのブログを活用してください。失敗から学び、次の成功に繋げましょう

この記事を書いた人

金子 浩二

金子 浩二

海外販路開拓・業務改善コンサルタント
事業推進するための人材やノウハウ・スキルにお困りではございませんか?
15年間の海外ビジネス経験のなかで、海外駐在を2度経験。最前線で営業マンとして活躍し海外市場を切り拓いた結果、計100社以上の海外企業へ販売を実現。
また計4社で11箇所の部署を経験、業務効率化に尽力。異動引継が多い環境であったため、如何に組織のなかで人材を機能させるかに着目した結果、仕組み化の重要性に気づく。
これらの経験から2023年3月に独立し、GC COMMUNICASTIONSを開業。現在、企業様への海外販路開拓および業務改善という2つの切り口からコンサルティング支援中。

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