東南アジアは急速な経済成長とデジタル化の波に乗り、eコマース市場が急拡大しています。この地域は約6億7000万人の人口を抱え、特に若年層のインターネット普及率が高いことから、オンラインショッピングが急成長しています。
私自身2度タイへの駐在経験があり、1度目の2015年ごろはeコマースはほとんど普及しておらず使用しておりませんでしたが、2度目の2020年にはコロナ禍ということもあり、eコマースを日常的に活用しておりました。当時はLazadaを使用しており、商品の検索や品定め、注文からデリバリー状況に関して一通り英語にて閲覧できたので、困ることが一切ありませんでした。
むしろ探したい物があってもどこの店に売っているのか分からないケースがあったため、その際にeコマースで商品を探し出すこともできました。またタイ駐在中は車を自ら運転することがなかったため、eコマースの活用により重い荷物や大量の荷物を自宅までデリバリーしてくれるため、とても助かりました。
今回は、東南アジアのeコマース事情について詳しく見ていきます。
急成長する市場
東南アジアのeコマース市場は、過去数年間で爆発的な成長を遂げています。2020年には新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングがさらに加速し、多くの消費者が初めてオンラインでの購入を経験しました。例えば、インドネシアでは2020年のオンラインショッピング利用者が前年比で約30%増加しました。
主要なプレイヤー
東南アジアのeコマース市場には多くのプレイヤーが存在します。特に注目されるのは、シンガポールに本拠を置くShopeeとLazadaです。Shopeeは急速に成長し、地域全体で人気を博しています。一方、Lazadaはアリババグループの支援を受け、堅実な成長を続けています。これらのプラットフォームは、ユーザーにシームレスなショッピング体験を提供し、多様な商品ラインアップや手頃な価格で人気を集めています。
モバイルファーストの文化
東南アジアでは、モバイルデバイスの普及がeコマースの成長を後押ししています。この地域の多くの人々が初めてインターネットにアクセスする手段としてスマートフォンを使用しています。例えば、フィリピンやタイでは、インターネットユーザーの大多数がモバイルデバイスを利用しています。このため、eコマースプラットフォームはモバイルアプリの開発に力を入れ、モバイルファーストの戦略を採用しています。
支払いと物流の課題
一方で、東南アジアのeコマース市場にはいくつかの課題も存在します。支払い方法の多様化が進んでいるものの、まだクレジットカードの普及率が低い国も多く、代替支払い方法の整備が求められています。また、物流インフラの未整備も一部地域では問題となっています。遠隔地への配送や都市部の交通渋滞などが、迅速な商品配達を妨げる要因となっています。
政府の支援と規制
多くの東南アジア諸国は、eコマースの成長を支援するために様々な政策を打ち出しています。例えば、シンガポール政府は中小企業のデジタル化を支援するための補助金制度を設けています。また、インドネシア政府はオンライン取引の信頼性向上を目指し、厳格な規制を導入しています。これらの政策は、eコマース市場の健全な成長を促進するための重要な要素です。
ビジネスとしての活用例
例えば、これからビジネスを東南アジアで拡大していきたい日本企業にとっては絶好の市場調査の場となります。特に消費財メーカーであれば、現地市場で売られている類似商品情報を調べることができますし、販売価格も表示されているため、マーケティング戦略立案のための情報として活用できます。
まとめ
東南アジアのeコマース市場は、今後も高い成長を続けると予測されています。新興市場の成長や消費者行動の変化、技術革新により、オンラインショッピングの利便性がさらに向上するでしょう。また、地域間の協力やインフラの整備が進むことで、市場は一層活性化する見込みです。今後も東南アジアのeコマース市場から目が離せません。