一括りに海外といっても、アジアやアメリカ・ヨーロッパの地域ごとに文化や習慣が大きく異なることがありますね。異なる文化を目の当たりにすると、世界の常識と日本の非常識、またアジアと欧米の感覚の違いが明確になります。このような違いが、海外ビジネスの面白さの一つだと感じます。
今回は、特にアジアと欧米の営業スタイルの違いに焦点を当て、定時後の働き方に着目したいと思います。
定時後における営業スタイルの違いは、両者のビジネス文化の根本的な違いを示しています。
皆さんが海外のお客さんと接する際の参考となるよう、これらの違いを共有していきたいと思います。
アジア人向き営業
東アジアや東南アジアのお客さんとの関係では、「人間関係」が非常に重要だという話を聞いたことがあるかもしれませんね。特に、東アジアでは「同じ釜の飯を食う」という仲間意識が昔から強く根付いています。中国人の方とお酒を飲む際には、その場の付き合い方で関係が深まることがあります。
ちなみに、中国人との飲み会では、お酒を飲めないことをきちんと伝えることが重要です。少しでも飲めると言ってしまうと、おもてなしの意味でお酒がたくさん注がれてしまうことがありますからね。
また、東南アジアでも似たような傾向が見られます。これは、貿易ビジネスなどで活躍する華人や華僑が多いためと考えられます。華人は中国のルーツを持ちながら、海外で現地の国籍を取得している人を指し、華僑は海外に移り住んだ中国人やその子孫を指します。
アジア人は人間関係を重視し、そこからビジネスが生まれることもよくあります。しかし、他の要素も大切ですので、バランスを保つことが重要ですね。
欧米人向き営業
必ずしもそうとは限りませんが、欧米の方たちは『タスク』重視の傾向があります。
基本的に、仕事中と仕事以外の時間は完全に区別され、残業という概念はあまりないようです。
そのため、仕事中の集中力が非常に高く、その時間でのパフォーマンスが重要視されます。
私がアメリカやヨーロッパのお客さんを訪問して打ち合わせをした際も、「はるばる来てくれてありがとう!」と歓迎されることはありますが、打ち合わせ後に「一杯行きますか?」という提案はあまり記憶にありません。
むしろ、定時後は家族との夕食を共に過ごす時間が確保されており、その生活を豊かに楽しむことが重視されています。
これを聞くと、日本人は自己犠牲が強い国民性であることに気付かされます。
まとめ
営業や会食の文化は地域によって異なり、その違いは人間模様の多様性を示していますね。どちらが良くて、どちらが悪いということはありません。個々の人がどのスタイルを好み、自分の人生をどのように楽しむかは個人の選択です。自分に合ったスタイルを見つけて、選んでいきましょう。
もし御社の海外営業チームが欧米担当とアジア担当に分かれている場合、自分のスタイルに合った地域を選択することも一つの方法ですね。それによって、より効果的なビジネス展開が可能になるでしょう。