現代の日本では、社員旅行は珍しい傾向ですね。1980年ごろには、社員総出でバスを貸し切って温泉や観光地に行くことが一般的でしたが、最近では(私世代も含めて)、社員旅行はめんどくさいと感じる人が多いようです。
私が計5年間駐在していたタイでも、社員旅行の話題はよく出ました。ビジネスとは関係ないように思われるかもしれませんが、実はタイで働く予定がある方にとって役立つ情報かもしれません。タイ人の考え方や文化を理解することは、ビジネスでも重要ですからね。
ということで、タイ人にとっての社員旅行に対する価値観を考えていきましょう。
タイ人にとってのCompany Trip
最近の若い世代では、社員旅行に対する嫌悪感が増しているようですが、タイ人にとっては1年に数回のビックイベントのひとつです。
普通は休日に行われますが、土曜日の早朝には派手な2階建てバスが登場し、カラオケ大会や宴会が開始されます。日本人駐在員は疲れ果てて寝ている姿がよく見られます。観光後はまた夕方から宴会があり、カラオケも楽しまれます。これは昭和時代の日本人が温泉旅館での集いやエンターテイメントを楽しむ姿に似ていますね。
面接でタイ人が「社員旅行はありますか?」と尋ねることもあるそうで、社員旅行がない企業は就職候補から外されることもあるようです。
日本人の立ち振舞い
日本人駐在員の中には、「めんどくさいし、つまらないから行きたくない」と感じる人もいますね。実際、私の上司もそのタイプでした(笑)。しかし、行ってみればその後が変わるものですし、やはりコミュニケーションが大切ですね。
私の場合、夜のカラオケ大会で日本の曲がほとんどなく、唯一入っていたのが「サライ」でした。しかし、キーが外れていて音合わせが難しかったそうです。深夜12時、私の歌声は寝ている人の枕元まで届いていたそうです。
翌朝、その歌声は子守歌のように聞こえたり、音の外れ具合で寝れなくなったとタイ人に言われたそうです。その後、社内で笑いのネタになり、私は社員旅行に行ってよかったと思いました(笑)。
見えない壁をぶっ壊す
駐在員としてタイで働く方は、タイ人従業員と上司・部下の関係にあります。言葉や文化の壁は当然のことで、タイ人の方は穏やかで、自ら積極的に日本人に話しかけることは少ないです。このような状況下で、見えない壁が存在します。
社員旅行は、そんな壁を取り除く良い機会です。積極的に参加することで、コミュニケーションを深め、お互いの理解を促進することができます。そうした努力が、職場環境の改善につながるかもしれません。是非、このような機会を活用してみてください。
まとめ
タイ人にとってのCompany Tripは、1年に数回のビッグイベントのひとつ。休日に行われ、早朝からカラオケや宴会が繰り広げられる。
日本人駐在員は疲れ果てている姿も。しかし、このようなイベントがタイでは重要視され、企業の魅力のひとつとも言えます。
一方、日本人駐在員の中には参加を嫌がる人もいますが、参加すればコミュニケーションが深まり、人間関係の構築に良い効果が期待できます。
タイで働く上で、言葉や文化の壁はありますが、社員旅行などのイベントはそれらを取り除く一助になるかもしれません。