自分の英語力がビジネスで役立つのか、世界で通用するのか、という不安は、初めて日常的に英語を使う仕事に就いた時から抱いていました。
当時の会社では、同僚や上司が海外のお客さんと英語で電話をしたり、来日したお客さんと英語でプレゼンをする姿を見ることがよくありました。その姿には感心しつつも、自分が同じ立場になったらどうしようかと心配していました。
しかし、実際に英語を使う仕事をしてからは、その不安も15年のキャリアの中で払拭されました。海外で商品セミナーを開催し、数百人の前で英語でプレゼンをする機会もありましたし、海外現地法人を経営し、外国人組織をマネジメントするようになりました。
今回は、私自身がどのようにして英語とビジネスを結びつけてきたかを、完全に経験に基づいてお話しします。
英語勉強の出発点
英語を勉強し始めたきっかけは、大学時代に行ったグアムでした。
当時の私は英語力がゼロで、英語の勉強経験もなく、興味もありませんでした。
しかし、ある日、部屋でコップを割ってしまい、新しいものを頼む必要がありました。しかし、
その時の私にはたった一文すら英語で伝えることができませんでした。
フロントに行っても、身振り手振りで伝えても通じず、苦悩していたところ、日本人男性が現れ、スタッフのお姉さんと英語で円滑なコミュニケーションを取り、最後には笑顔で別れたことがありました。
この出来事が私の英語人生を変えるきっかけとなりました。その日本人男性への憧れと、伝わらない自分の無力さが原点となり、「国際人になる!」という目標を掲げ、大学卒業後には就職をせずにオーストラリアへの留学を決意することになりました。
この時期、自分の英語力の評価としてTOEICを受験しましたが、得点は330点でした。一問たりとも解けたという自信はなく、その時の苦い経験は今も鮮明に覚えています。
ジャッキーチェンさんの言葉「You can use your own English」
オーストラリアでの留学中、私は外国人との交流を重視しました。特に、文化の近い韓国人の友人には大変お世話になりました。彼らとは毎日一緒に授業を受け、ランチをとり、学校後は一緒に図書館で勉強をしました。彼らは私よりも先に留学しており、英語力も上だったため、いろんなことを教えてくれました。彼らのおかげで英語を学び、実践する機会を得ることができ、その効果は非常に大きかったです。
帰国後、TOEICのスコアが一気に伸び、330から730まで上昇しました。そして、就職後はビジネス英語を実践する機会が増えました。
初めて海外のお客さんへの問い合わせをする際、上司から英文メールを作成するよう指示されました。
私は下手くそな英語を隠したくて必死にメールを作成しましたが、全ての文章が赤ペンで修正されたことを忘れません。
海外からのお客さんが来日した際には、打ち合わせに私も参加しました。当時、自分の英語力を他の日本人に見せたくないという気持ちが強く、そのための緊張感がありました。会議中、お客さんから英語で質問され、私はほとんど理解できずに「Yes!」とだけ答えました。その後、周りからの冷たい視線を感じました。
そのような出来事があった頃、私はNHK教育テレビで見た英語学習番組でジャッキーチェーンさんの言葉に触れました。「アジア人の英語はネイティブの英語とは異なるが、それは気にすることはない。You can use your own English (自分自身の英語でいいんだ。)」この言葉は今でも私の心に残っています。
結局のところ『使ってなんぼ』
この言葉を聞いてから、自分が小さなことにとらわれていたことに気づきました。英語を話す際に完璧でなくてもいいし、むしろ何も伝わらないよりは話すことが大切だと気づきました。だから、恥ずかしがる必要はないんです。
現在も英語を使う機会はありますが、細かいことは考えなくなりました。例えば、”Sea, She, See”や “Right, Light”のような発音の違いについて、意識的に使い分けることもなくなりました。(私の場合は、です)
また、日本語ベースの英語と呼ばれるほど、英語には苦手意識がありますが、それでもなんとかやってきました。もしあなたが同じ悩みを抱えているなら、前に進む一歩を踏み出すことをお勧めします。ビジネスでも日常生活でも、「英語は使えることが大切」ということを覚えておいてください。
そして、余裕ができたら少しずつ聞き取りやすい英語に変えていくことも大切です。
まとめ
ビジネス英語の習得には、コミュニケーション能力と自信が不可欠です。自身の英語力を高めるためには、実践と自己啓発が重要です。また、言葉の正確さや適切な表現も大事ですので、余裕が出来てきてから磨いていって下さい。
何はともあれ、失敗を恐れずに積極的に挑戦し、自分なりの英語を使うことが大切です。
経験を積む中で、少しずつ自然な英語表現に近づいていくことが目標です。