2050年頃には、日本の人口が1億人を割り込みマーケットの縮小傾向が続く一方で、アジアやアフリカを中心に人口が増加し、ビジネスの活性化が見込まれます。
最近のニュースでは、日本で介護士として勤務していた人がオーストラリアに移り、同じ介護職で働くことで給料が4倍に増加したという衝撃的な事例が報告されています。日本人の几帳面さや仕事ぶりが高く評価され、海外での仕事に適しているとされています。
日本国内では給料水準の上昇が困難な状況が続く中、個人も海外での仕事を選択する傾向が高まっています。
このような状況下で、日本企業も積極的な海外進出が求められています。
大企業は既に海外進出を果たしており、これがスタンダードとなっていますが、中小企業も生き残りをかけて海外市場に進出する必要があります。
特に、駐在員として海外に派遣される場合、現地従業員との良好な関係を築くことが重要です。
私自身が東南アジアのタイで駐在経験があり、その体験から得た知見をもとに、今回は駐在員と現地従業員との関係性について語ります。
姿勢を見せる
言語は海外でのビジネスにおいて必要不可欠です。
特に外資系企業で働く現地従業員は英語を話せることが多いですが、日本人も現地人も英語がネイティブではないため、ニュアンスが伝わりにくいことがあります。
例えば「data(データ)」という単語は、タイ人の多く(私の周りでは)が「ダータ」と発音します。
これは母語に近い発音で英語を使うため、初めて聞くと理解しにくいこともあります。
日本人も海外で英語を話すときは、日本語英語になりやすく、海外の人にとっては聞きにくいものです。
しかし、外国人が一生懸命日本語でコミュニケーションをしようとしているのをみると、日本人としては積極的に手助けしたくなりませんか?これが姿勢の部分で、相手の文化や慣習などに溶け込もうとする姿に心を打たれるのです。
海外駐在では、言葉によるコミュニケーションも重要ですが、人の気持ちを揺さぶるには、言葉以上に姿勢が大事です。
慣習に溶け込む
友人の例は、海外駐在の際にタイの慣習を調査し、タイ人従業員との人間関係を構築する方法を考えました。タイでは本名ではなくニックネームで呼び合う習慣があります。外国人の名前は日本人にとって覚えづらいこともありますが、ニックネームは覚えやすいです。
友人は自らもタイ語のニックネームをつけ、初出社時にワイシャツの袖に名前の刺繍を入れて現地の方に紹介しました。この工夫は現地の人々にとって意外なほどのインパクトを与え、印象に残ります。そして、人間関係構築に大いに役立ちます。
このような小さな工夫が、異文化間のコミュニケーションを円滑にし、良好な関係を築く手助けになることを示しています。
楽しみ方に飛び込む
異国での生活では、その土地の文化や習慣に従うことが重要です。日本では桜の季節にはお花見や夏にはバーベキュー、冬には忘年会や新年会など、みんなが集まるイベントがありますね。
海外でも、各地の文化に合わせた楽しいイベントがあります。
タイでは、社員旅行が年に1度の大きなイベントで、出発後のバスの中からパーティーが始まります。
これはタイの人々の楽しみ方であり、駐在員としては観客ではなく、積極的に参加することが大切です。
特にお酒を飲みながらカラオケを楽しんだり、踊ったりするスタイルですから、お酒が苦手でも楽しめます。
自分の姿勢を示すことは重要で、楽しみ方に飛び込むことは、自分もみんなの一員であることを示すことです。
まとめ
様々な視点から現地の人々と交流を深めることで、自然に異国の地での違和感が薄れ、皆が自分を歓迎してくれ、自分の居場所を見つけられるでしょう。
言語能力やコミュニケーションのスキルは重要ですが、それ以上に、自らの「姿勢」が成功の鍵を握っていると私は考えます。例えば、現地の文化や習慣に対する理解を深め、尊重する姿勢が大切です。また、謙虚さや柔軟性を持ち、新しい環境に対してオープンな心を持つことも重要です。これらの要素が、現地の人々との信頼関係を築く上で非常に効果的です。
言語や文化の壁を乗り越え、相手との良好な関係を築くには、まずは自らの姿勢を見直し、適応し、尊重することが不可欠です。