自社製品を海外市場で販売する際、消費財は越境ECを利用するケースもありますが、生産財は通常、現地のディストリビューターを通じて販売されます。
このディストリビューターを見つけることは、多くの日本企業にとって課題です。
そこで、今日はディストリビューターを見つけるための効果的な顧客開拓方法をご紹介します。
その名は『パートナー探しの縦横戦略』です。
顧客開拓の常套手段
私自身も以前、新規顧客開拓の一環として以下の手法を試みていましたが、多くの企業も同様の取り組みを行っているでしょう。
- インターネットでのリサーチと問い合わせ: パートナーとなり得る販売業者をオンラインで検索し、問い合わせを行います。
- 展示会への出展: 展示会に出展し、そこでの出会いを通じてパートナー候補を見つけることを期待します。
- コンサル会社への依頼: 海外のコンサルティング会社などに、代わりにパートナー候補を探してもらうこともあります。
- 直接訪問: パートナー候補をリストアップし、現地を直接訪れることで関係を築こうとします。
これらのアクションは悪いことではなく、むしろ必要な取り組みですが、その際には時間や労力、そしてコストがかかることを覚悟する必要があります。
パートナー探しの縦横戦略
提案するのは、「縦横戦略」です。
どの業界でも、他のメーカーや現地の販売業者など、複数のプレイヤーが存在します。
たとえば、自動車部品のメーカーであれば、他の自動車部品メーカーも存在します。同じ製品を扱うメーカー同士では競合が生じる可能性がありますが、違う製品を扱うメーカー同士なら情報共有が可能です。業界の集まりに参加することで、他のメーカーとの繋がりが生まれ、新たな突破口を見つけることができます。
また、現地の卸売業者を知っている場合、会話の中からライバル企業や業界内の情報を引き出すことができます。
さらには現地を訪れ、小売業者に市場調査という名目で接触し、彼らから卸売業者の情報や業界内の評判を聞き出すことも重要です。
業界内の一次情報を活用することで、ビジネスにおいて重要な判断材料を得ることができます。
多くの業界内の協力者を作ることは、ビジネスにおいて非常に重要です。
期待できる効果
さらに、商材が競合しない他メーカーであれば、海外現地での展示会や製品セミナーなどの販促活動を協業できる可能性もありますね。
特に同じ卸売業者を共有している場合は、卸売業者も含めたイベント開催が費用的にも集客効果的にも期待できます。
ある県の酒造組合の事例では、中小規模の酒蔵が集まり、海外や日本の各地で展示会や販促活動を共同で行っています。
一つの塊として活動することで、各社が個別に活動するよりも効果的な結果を得られるようです。
同じ日本酒という商品でも、各蔵が協力し合い、切磋琢磨して挑戦する姿は、日本人の素晴らしい気質の一つだと感じます。
まとめ
多くの企業が新規顧客開拓において、インターネットでのリサーチや問い合わせ、展示会出展、コンサルティング会社の依頼、直接訪問などの手法を試みています。これらは重要な取り組みですが、時間や労力、コストがかかることも考慮すべきです。
そこで提案するのが、「縦横戦略」です。業界内の他メーカーや現地の販売業者などとの連携を通じて情報共有を図り、新たなビジネス機会を見つけます。業界内の協力者を増やすことが、ビジネスにおいて非常に有益です。
競合しない他メーカーとの協業により、海外展示会やセミナーなどの販促活動も可能です。同じ卸売業者を共有する場合は、協力してイベントを開催することで費用対効果が高まります。県の酒造組合の例からもわかるように、協力して一体となって活動することで、より大きな成果が期待できます。