海外出張での営業活動は多岐にわたりますが、展示ブースの設置や製品セミナーの開催などが一般的ですね。今回は、私がASEAN地域で行っていた営業活動についてご紹介します。
実際に取引していたのは、各国の販売店(ディストリビューター)でしたが、彼らの顧客である小売店(リテーラー)を取り込むことで、ビジネスの広がりを大きくすることができます。そのため、小売店への営業活動も販売店に任せず、積極的に販促をサポートすることが重要です。さあ、実践してみましょう!
都市部はディナー狙い
製品セミナーは、製品だけでなく自己ブランディングにも効果的ですね。
セミナーを開催する際には、人が多く集まる大都市を選ぶのが一般的です。例えば、ハノイやホーチミン、プノンペン、ジャカルタ、スラバヤなどの都市がその代表例です。特に、都市部の近郊にいる小売店の方々も参加しやすいよう、平日の夜に開催するディナー兼製品セミナーが効果的です。
セミナーでは、製品メーカーの営業担当者がプレゼンテーションを行います。その後は、演劇やビンゴ大会などのゲーム要素を取り入れて参加者に楽しんでもらいます。特に驚いたのは、東南アジアらしいビンゴの景品としてバイク(ホンダカブ)を出すことですね。その景品を目当てに、参加者が大いに盛り上がることでしょう。
このようなディナー兼セミナーでは、営業担当者が直接顔を合わせて小売店のお客様と交流し、信頼関係を築くことができます。これは製品自体の信頼性と共に、実際の売上拡大に寄与する重要な機会です。
地方へのドサ回り訪問
地方都市に住むお客様への営業は重要ですが、交通網の整備が不十分なため、都市部で開催されるセミナーへの参加は難しい場合があります。
地方にお住まいの方々にアプローチするためには、「ドサ回り営業」が有効です。この方法は古典的な手法ですが、今でも効果があります。お客様は自分のために遠くまで来てくれる営業担当者に感激し、その訪問を忘れることはありません。また、日本人が初めて訪れることは特別な経験として記憶されます。
「返報性の原理」は万国共通の原則であり、お客様は営業担当者の努力に対して何らかの形での返礼を期待する傾向があります。ただし、このアプローチは製品の信頼性が最低限担保されていることを前提としています。営業担当者は一件ずつ訪問し、プチ製品セミナーを開催して交流を深めることが重要です。
お客様との会話からは、都市部とは異なる視点や悩みを知ることができ、今後の製品展開に役立つヒントを得ることができます。
まとめ
東南アジアにおいてビジネスを成功させるための重要なキーワードは、コネクションです。これは東南アジアに限らず、ビジネスにおいて人と人との結びつきが強力な要素であることを示しています。
特に東南アジアでは、地域ごとのコネクションが重要です。販売店任せにせず、自らが動いてコネクションを構築することがマーケットシェアを拡大するための鍵となります。
現在売上が伸び悩んでいる場合、地域別の営業アプローチを変えてみることが重要です。地域ごとの文化やニーズに合わせてアプローチを変えることで、より効果的なビジネス展開が可能となります。