もうすぐ年末がやってきますね。年末となると、様々な人々との集まりが増え、お酒がつきものですね。皆さんは、どのアルコールがお好きですか?
私は、今となっては断然日本酒派です!その理由は、単純に美味しいからです。
特にフルーティー系な香りのお酒が好きで、日本酒で言うと吟醸系がお気に入りです。
また、日本酒の製造工程や酒米の収穫から数ヶ月間かけて作り上げられる労力を考えると、ありがたみを感じながら頂くことができます。
今回は、日本酒が国内市場と海外市場でどのように推移しているのかを見ていきます。
日本には優れたものづくり企業がたくさんありますが、国内市場に留まっている企業も多いですね。
この記事を通じて、海外マーケットに挑戦するきっかけとなれば幸いです。
Japanese Wineというもの
そもそも日本酒の国内売上は興味深い歴史を持っています。1973年をピークに、その後の日本酒の出荷量は急速に減少し、現在(令和3年)ではなんとピーク時の3割以下まで落ち込んでいます。また、2000年初頭には約2000の酒蔵が存在したとされますが、ここ20年間で約1,300へと減少したと聞きます。
出典:国税庁(酒レポート)
若者の日本酒離れや日本酒への悪いイメージは、日本酒の衰退の要因として考えられますね。
以前、私も20代の頃は日本酒に抵抗感を覚えていました。その理由は、「悪酔い」しやすいイメージや「オヤジ臭い」味やにおいからでした。
しかし、2010年代に入り、日本酒のイメージを一新したのが「獺祭」です。初めて獺祭を味わった時、
これまでの日本酒のイメージとは異なる驚きを感じました。
そのフルーティーな味わいと飲みやすさは、日本酒に対する偏見を一掃しました。英語では日本酒を「Japanese Rice Wine」と呼びますが、まさにJapanese Wineという名にふさわしいと感じました。
プレミアムなJapanese Wine
日本人が日本酒離れで国内出荷量を減らす中、それに相反する現象が起きております。
それは海外マーケットで、下図の日本酒出荷量をご覧下さい。
出典:日本酒造組合中央会(輸出実績推移)
日本酒の輸出量は年々増加し、その勢いは止まる気配がありません。コロナ禍にも関わらず、毎年過去最高の出荷量を記録しています。では、具体的にどのような商品が輸出されているのか、下図をご覧ください。
出典:国税庁(輸出取引の状況)
輸出において、特定名称酒が圧倒的なシェアを占めています。特定名称酒は、高品質な清酒である「本醸造酒」「吟醸酒」「純米酒」の総称であり、純米大吟醸などもこのカテゴリーに含まれます。
これらの高品質なお酒は価格も高めであり、海外市場ではプレミアム酒として人気を博しています。
日本製の強みが際立ち、世界展開において日本独自のプレミアム感を持った商品展開が重要性を増しています。
拡張性のあるビジネス展開
さらに追い風となっているのは、和食の存在ですね。和食が2013年に世界無形文化遺産に登録され、その影響で世界各地で日本食レストランが増えています。和食と共に提供されるのが日本酒であり、日本酒の知名度が上がっています。
また、世界各国で経済力が上がり、富裕層が増えていることも日本酒の需要を促しています。
世界の追い風を逃すまいと、酒蔵が海外展開を進めています。
例えば、獺祭で有名な山口県の旭酒造が2023年にアメリカ・ニューヨーク州に新たな酒蔵を開設しました。
技術の進歩や地産地消の考え方が、海外での酒造りを容易にしています。
海外市場は巨大であり、労働力も確保しやすいため、海外進出は今後も続くでしょう。
まとめ
日本酒の歴史とその現在の状況を振り返ると、若者の離れやイメージの変化が顕著です。
しかし、海外市場では日本酒の輸出量が増加しており、特に高品質な日本酒が注目されています。
和食の人気も相まって、日本酒の需要は拡大しています。日本製品のプレミアム感や文化的背景が海外で評価され、多くの酒蔵が海外展開を模索しています。この動向は、日本酒産業の将来に希望を持たせます。