「うちの商品って他社と違うところがないから、うたい文句なんかないんだよ・・・」
そんな本音を口にした経験はございませんか?
実はこれ、思考がストップした状況に陥った証拠です。というのもこの場合、多くの方が商品の性能面でしか語っていないからです。私自身も過去にさまざまな商材を取扱ってきた中で、売れない時のパターンが”商材の性能”にこだわりすぎていた時です。逆に商売の見方や訴求の切り口を変えると、パッと販路の光が差し込むことも経験してきました。
この記事では、売上が伸び悩む組織や営業マンへ、簡単にマネできる考え方を提供します。この記事を読むと、商材の性能ではなく、違う側面で物事を見ることができるようになります。結論としては、①パッケージ②きめ細かさ③アフターフォローの3つの側面で、今回お伝えします。
パッケージ
例えばコンビニに行くと、ペットボトルの水が無数に売っております。
ただ、皆さんは水にこだわりを持って買いますか?
例えば、私は南アルプス山脈で採取された水しか飲まない
僕は、絶対富士山麓系で取れた水しか飲まない、とか。
普通あり得ないですよね。ほとんどの方は水の成分(性能部分)にこだわりはないはずです。
最近のトレンドでは、ペットボトルの形がよりスリムになっているタイプが高級感を掻き立て
手に取られやすいようです。これもひとつ外観(パッケージ)を変えた例となります。
実はもっとすごい水の例があるんです。それが、「Liquid Death」
これは、数年前にアメリカで立ち上げられたスタートアップ企業が販売している水です。
こちらの商品はアルプスから採取された水を利用して、ミネラルウォーターや炭酸水、マンゴー風味など
他でもありそうな商品ラインナップで世の中に展開しております。ではなぜ、この商品がバカ売れしているのか?
その答えは容器自体をペットボトルから缶に変え、パッケージデザインをナイトクラブで飲む若者をイメージし、かっこよくして、売る場所も当然ナイトクラブに設定したのです。つまり一般的に水が売られているコンビニやスーパーが、この商品にとっては戦場ではないのです。
詳細はこちらのページから
https://liquiddeath.com/en-jp
ナイトクラブではお酒を召される人が多いところですが、ひとりだけ普通のペットボトルの水を飲んでいては浮いてしまいます。ところが、パッケージデザインを変えてかっこよくすることによって、中身は単なる水でも、浮かずに雰囲気に調和するということなのですね。
中身の勝負ではなく、外側のパッケージによって、世の中のニーズを掴んだ良い事例です。
きめ細かさ
日本人が海外で商売をする時、昔は商品の性能そのものに競合との差別化が可能でした。
以前投稿した記事で言うと、商品軸になります。詳細は下記のブログ記事をご覧ください。
過去にあれほどコピー品を作ってきた中国製の品質レベルが劇的に向上しており、
現在では様々な業界で、オリジナル商品の品質と変わらないレベルへと変貌しております。
もはや性能における勝負が難しくなっており、価格面でも中国製に負けてしまうため、
日本の商品が売れないなんていう状況が、世界各地で散見されるようになりました。
ここでやりがちな落とし穴は、『求められていない機能や性能を付加し、付加価値商品として売り出す』ことです。
この発想はもはや通用せず、職人肌であればあるほどこの部分を重視しがちです。ではどうするのか。
一つの発想としては、商品はそのままに営業マンそのものの「人を売る」ということが大事です。
こんなことを言えば、「これまでもそうだろう!」と言われそうですが、実は日本人はこれが武器なんです。
例えば、海外の方で日本語がわからないとします。その方にアプローチするためにわざわざ労力を使い、
製品カタログを全て現地語で用意し、差し出すとします。
この労力こそが、我々日本人の最大の武器である『きめ細かさ』であり、いわゆる一種の『おもてなし』なんです。ビジネスも結局は人と人のやり取りなので、我々の武器を有効活用しましょう。
アフターフォロー
商品を売ったらそれで終わりというのは、我々の美徳とするところではありません。お客様と「共存共栄する」という考え方が日本人には染み付いており、評価されるところです。よく、海外で耳にするニュースの一つとして、とある国の鉄道計画を中国が落札したが、蓋を開けてみれば、落札額の倍以上にコストが膨らんだ、などのニュースを聞きます。
日本人の良いところは、きちんとしたスケジュール管理やコスト管理等であり、
お客様の期待を裏切らないというのが、根本的に心の中で働いているのです。
もしくは、例え当初の計画と違っても、筋を通してきちんと説明するでしょう。
お客様と共に在り、共に繁栄することが長期的な視点においても大事であり、商品を販売した後の対応力が
今後一つのポイントとなるのです。このアフターフォローという切り口において商売を進めることにより、
商品の中身だけではない、本当の付加価値を生み出せるのではないでしょうか。
例えば、それが商品不具合の保証という形でも対応できますし、商品の販促方法の提供など、
お客様の販売に貢献だってできます。アフターフォローの提供が我々の強みへ変えられるのです。
まとめ
本日は、商材の性能ではなく、違う側面で物事を見るポイントとして
①パッケージ②きめ細かさ③アフターフォローの3つの側面でお伝えしました。
商材の性能で差別化することが、昔の日本企業のお家芸でしたが、他国も含めて
競合他社との性能の差別化は難しくなってきております。
このような状況だからこそ、今一度自分たちの強みをこの3つの側面から探って欲しいのです。
なぜなら、商売というのは商材の中身だけで勝負しているわけではありませんので。
我々日本人は、生まれ持っておもてなし精神の強い国民性だと信じております。
この素晴らしい特性を活かして、商売にもうまく取り入れることができれば良いですね。